2012年5月5日土曜日

観たり 聴いたり 旅したり: 肝を冷やした話


アメリカに住む娘"めい"からの長文メール。友人達への一括送信だが読んで驚いた。

よくまあ無事で!

冒険心・自立心の強い娘ではあったが、こんな無茶をするとは!「なんという無茶をするんだ!」と雷を落とすとともによくぞ生還!と驚きもあった。留学する時から学校も自分で調べ手続き一切自分で、以後親に迷惑などかけず生きてきた娘ではあるが。パートナーの"マサ君"からしっかりお叱りを受けたそうだ。当たり前だよ。驚きがおさまると、読み物として面白く、本人の了解を得てここに転載してみた。アメリカの自然は想像を絶する大きさである。

>ここでのトレイルの件、既に問い合わせが数件来てるので詳しく書きます。 長くなるので、お時間のない方は写真だけどーぞ。

さて、Zion Canyoneeringから半年、スキューバダイビングのインストラクターとして充実した日々を送っているMasaくんですが、その分二日以上の休みが全く取れない! 大自然の中に行きたいとウズウズしていた私は、ついに限界で"ごめん、行って来る!"と書置きを残し、3月のとある週末、2泊3日でHavasupaiへと出かけました

キャニオンの谷底からさらに落ちていくこのHavasupai Fallは、ニコラスケイジの映画"Next"にもでてくるのですが、Grand Canyonを検索した人は、一度は写真で目にした光景ではないしょうか。 が、近いとはいえ、ここはGCには全く関係なく、National Parkでもありません。 

Canyonの谷底にあるIndian居住区を一般人に開放してくれたところに、ある秘境と呼んでもいい所。 イコール (=)情報が限られている! 

トレイルスタートから往復20マイル (32キロ)ってのは解っていても、トレイルの状態やハードさについては、はっきりとわからない。 谷底にもロッジはあるのですが、当然3-6ヶ月前には予約で埋まってしまう。キャンプ場もあるのですが、往復20マイルキャンプ道具抱えて歩くのはさすがにパスしたい。

 ツアー会社に頼んでヘリでひとっとび、もしくは馬で行くことは出来るのですが、それじゃ楽しさ半減してしまう。  いろいろとWebの書き込みをみてると、一応7時間ほどで往復可能とあり、半信半疑で向かったものの、後でとんでもない目にあうこととなります。。


風光明媚な76滝

CAからなら、Kingman, AZ経由し、Route66からIndian Route18へ折れHualapai Hilltopへ。 てっきり砂漠地帯化思いきや、3月なのにまだ雪の多く残る林のなかの一本道。 次から次にわたって来る牛さんをよけながら走って行くと、下を見ると怖いような絶壁の上にParkingとRanger Stationのプレハブ小屋あり。  その一番奥にトレイル出発点。 最初はヘアピンカーブとはいえ下り坂なので楽勝で1.5Mileほど駆け抜けていき、谷底の平坦な道へと分かれていきます。 特にサインもないので、"帰り道、迷いそうだなあ"と、既にあとで降りかかる事態を予想していた私でした。

が、こっからが問題。 確かに平坦だけど、トレイルというより、コロラド川の支流が干上がってできたような道。。 つまり川底にあるような大小の石ごろごろの上をひたすら前に通ったひとの足跡、もしくは馬糞後を追っかけながら6.5マイルほど麓の村まで歩いていく。。 石に足はとられるは、足のうらはごつごつした岩で痛いわ、変なところに力は入るわで、意外に歩くのに時間がかかる。 マイル表示も棒っきれが2マイル置き位にたってるだけなので、距離感がなかなかとれない。 村まで残り4マイルの、更なる分かれ道に出たときには、既に結構足が限界に来てたりする。

途中写真とってたとはいえ、8時にトレイル出発をして、途中川を渡り、村に着いたのは、すでに12:30でした。 (ここまで約8マイル=13KM) "うわー!ホントに谷底に村があるー! 桜の木まであるー!!"とかはしゃいでたのですが、さらにこっから滝まで2マイルって思うと、どっと疲れが。。 

が、滝どこ?ってくらい民家と牧場しか見えない。。 人の家と家の間に道ができてるって感じで、そこをぐるりと廻っていくと、やっと観光案内所のようなものがみつかる。 ここで村の地図をもらい、滝へ。。 (キャンプ場のすぐそばにあります) こっからの道は赤石が砕けてできたような、さらっさらの道。。歩くたびに足が埋まる、これがまた結構辛い。。 


amicola滝キャビン

そして滝の爆音が、したって思うといきなり右手にHavasupai Fallが! 疲れがふっとぶぐらいの迫力で、やっぱり来てよかったって感激してたのですが、あれ。。何か違う?
写真でよく見るのはこれ。 滝が二つに分かれてるのがここの特徴。 が、目の前に見えてたのはこれ。 滝が分かれてない!! 
そういえば今年は、通常より積雪が多かった。 雪解け水が多すぎて、滝が分かれるような量ではないってこと。。 うー。。やっぱり大自然は予測できない。
でも、滝の前に立つと、かかえてるカメラも吹っ飛ばされそうな、どしゃ降りのなかにいるようなこの迫力は、やっぱり来たかいあると、改めて感激してました。 そしてこのコロラド川の水の色!!  

繰り返しますが、雪解け水です!3月です。 凍るように冷たい水です。。  なんで泳げるかな欧米人。。。

この先に22マイルの高さから落ちてるMooney Fallsもあるのですが、さすがに時間切れで断念。 それどころか、"日の入りは6:00だから"と念を押されてたのに、気がつくと4:00をまわってる! "やばい!!"っと駆け出そうとすると、足がピキピキ固まってる。。足がつる。。 そう、お昼食べたり写真撮ったりを体を休めてたせいで、逆に足が動かなくなってしまってる。。 Yosemite Half Dome往復12時間、Top of YOSEMITE Fall往復8時間など、色々ハードなトレイルはこなしてきたので、足には自信があったので、これはショックでしたねー。。 それだけ、川底石ごろごろ道は足に負担がかかるってことなんでしょうけどね。 こっから10マイル(16キロ)さらに最後は上り坂、でも、帰るしか手はないし。。 

気持ちは走ってても実際には、足をなかば引きずるようにして、それでもなんとか半分。。 ここで無常にも日が沈む。 それでなくても、見つけにくい足跡を辿るとれいる、日が落ちるとあっという間に見えなくなる。。 こんなときに限って懐中電灯を、慌てて車に置いてきてたりする。。。 うわあ。。 既にあたりは真っ暗。 この日はまた、よりによって新月で、墨を塗ったような空に満天の星のみ。 星座の区別なんてつけれないほど、星で埋まった空を独り占めできる機会なんて滅多にないのに、悲しいかな満喫する余裕など既になし。


ナイアガラの滝ニューヨークのカジノ

とりあえず、カメラのフラッシュを使いながら、足跡よりは見つけ易い馬糞後を辿って数マイル。  が、なんか感じが違う。 絶対道が違ってるきがする。
と、そこで私を待っててくれたのは、馬ならぬ牛の群れでした。。。 (暗がりでどっちの糞かなんか、区別つかないよー!!なんでこんなとこで、放牧なんかしてんだー!!) 迷ったってことだね。

時計は既に夜八時。 (トレイルをでて既に半日っす。。) キャニオンの谷底は風も強く寒い。 確かF25度 =摂氏マイナス4度位まで気温が落ちると聞いた。  
これ以上いくと、さらに迷って出られなくなるはず。。 これはもう覚悟を決めて夜明かししかない。 一応防寒具は持ってきてるので、ひたすら着込む、ホッカイロも貼る、持ってたタオルを首に巻いて、フードかぶると、ちょっとあったかい。 食べ物は、お握りも、ビーフジャーキーも残ってる、水がないトレイルと知ってたので、たっぷり2リットルはまだ水も残ってる。 大丈夫! 

一時間後。。 とにかく寒い。。 風でできた穴に入り込んでもみたけど、(これは沖縄で見た風葬あと思い出して、ちょっと嫌だったんだけど。。) 岩自体が冷たくて、長時間座っていられない。 

ここで初めて、"真剣に凍死しちゃうかも"と考える。。。が、不思議なことに、パニっくになったりしないものだ。 落ち着いて人生ってものを振り返ると、【好き勝手生きてきて、したいこと全部して、仕事頑張って、自力で家も買って市民権もとって、結婚もして旦那に永住権もとって。。。 憧れの紅海ダイビングもしたし、マンタとも泳いだし、ピラミッドもみたし、ガラパゴスも行ったし。。 やり残したことないってくらい、楽しんだんだなーと我ながら感心】

 ダイビングで窒息死はつらいけど、同じくらい好きなトレイルで凍死ってのは、なかなかいい人生の終わり方じゃないか?と思ったりする。 秋に逝ってしまった愛猫蘭丸にも会えるし。。

(お父さん、お母さん、Masaくん、ごめんなさいー!!) 


が、家族は当然そうは思わないよね。 きっと行方を捜そうとするはず。 ふと思い出すと、ここは人里はなれたキャニオンの谷底。 おもいっきりトレイルから外れてる、携帯もつながらない。 つまり遺体は普通には発見されない。 ヘリの捜索は凄い費用がかかる。 私は、WillもTrustも作ってないことに気づいた。 うわあ、このままじゃ家族に多大な迷惑が掛かってしまう。 (この国は、夫婦間でも遺産相続は簡単じゃないんだ)  帰んなきゃ!!

人間の生きる気力なんて、こうやって、誰かのためじゃないと、湧かないもんだなあと、へんに感心しながら、とにかく行動に移すことにする。

不思議なもんで、生きようとすると、あとはとんとんと事が進む。 約2時間後、無事トレイルに戻る。 遠いけど村へ戻るほうが間違いはないと、更に歩いてると、やはりトレイルを断念して、寝袋にくるまってる旅行者にあう。 水を用意してなかった彼と、懐中電灯を物々交換してもらい、またParkingへと戻ろうと逆戻りをすると、今度は馬に乗って犬の散歩をしてるインデアンのおじさんにあう。 ちなみにほぼ真夜中である。 先に述べたとおり、月のない真っ暗闇である。 そのなかを、明かりを持たずに、道に迷うことなく散歩しているのだ! 

凄いよなあ。。人間って、やっぱり文明発達しなかったほうが、種として優れていたんじゃないかと思う。

とにかく、そのおじさんにパーキングまで案内してもらうこととなった。 歩いてるとはいえ、馬のあとを、しかも上り坂を、この疲れた足で歩き続けるのは辛かったけど、あまり長い時間つき合わせるのも申し訳ないんで、精一杯の早足で歩く。 それでも遅れると、犬たちが戻ってきて待っててくれる。。 優しいよねー。。 

おじさん二人と、馬犬たちのおかげで、無事にParkigへたどり着いたときには、既に午前2時を過ぎておりました。。 迷ってた時間もあわせると、多分14時間くらいは歩き回ってたんだと思う。。 万歩計もって行っておけばよかったって思うくらいの、最長徒歩記録でした。

教訓!未知の大自然に行くときは、これでもかってくらい情報を集めてからにしましょう。。。 思いつきで行くもんじゃないです。
でも、Havasupaiは本当に綺麗なので、しっかりした計画さえあれば、行く価値大です!! ご希望の方には、村でもらったのMapもお送りしますよ。 〔容量大きいので今回一緒に送るのはやめました)。

おおよその距離を下記にまとめておきます。 


LA - Kingman (5 hours) 5時間
Kingman - Indian 18 via Route 66 (45min)
Indian18 - Parking at  Hualapai Hiltop ( 68 mile - 75min)

-Trail -   1マイルは約1,6キロメートル

Hualapai Hiltop - Entrance of Supai Village                        8miles
Entrance of Supai Village - Havasupai Fall/Camp Ground         2 miles
Havasupai Fall - Mooney Falls                                         1 mile
Mooney Falls - Colorado River                                         9 miles

 



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